賃貸のマメ知識～あなたの"賃貸"ライフを総合サポート【木下の賃貸】

仲介手数料とは、不動産会社を通して物件を借りたり貸したり、または売ったり買ったりする場合に発生する、不動産会社・仲介会社への成功報酬です。あくまで成功報酬ですので、取引が成功しなかった場合には払う必要はありませんし、契約が無効や取り消しになった場合には不動産会社は報酬を請求することはできません。

では、仲介手数料はどれくらい支払う必要があるのでしょうか。不動産取引に関する法律である「宅地建物取引業法」には、以下のような決まりがあります。
・貸主・借主の両者から得られる報酬額の合計金額は、借賃（消費税を含まない）の1月分の1.08倍に相当する金額以内（1ヶ月分の賃料＋消費税）
・貸主または、借主のどちらかから受けることのできる報酬の額は、賃料の1月分の0.54倍に相当する金額以内（依頼者の承諾を得ている場合を除く）

これを見て、「あれ？」と思う点はないでしょうか。本来なら貸主と借主が一緒に仲介手数料を払うようになっているのですが、実際は借主が全額負担する契約になっていることがほとんどだということ。なぜ、このようなことが起きているのか。賃貸契約の際に渡される説明書の中に、「契約成立時には、媒介報酬額○○円（消費税込み）を支払うことを承諾しました」などという文言が添えられています。つまり、この時点で借主の承諾は得ていますという契約が成立してしまっているわけです。

こんなからくりがあったのかと、痛感する人もいるかと思います。もちろん成功報酬として認められているものなので、仲介手数料がかかる不動産会社で賃貸契約をする際は、これを拒否することはできません。賃貸契約の場合において仲介手数料の支払いは契約時となっていますので、初期費用がかさんでしまう原因の一つとなります。

賃貸借契約を結ぶ際、個人が契約を結ぶ相手としては「貸主」「代理」「仲介（媒介）」といった3つの取引態様があります。それぞれ宅地建物取引業者の立場によって仲介手数料の有無が変わってくるため、契約前には必ずチェックしておきましょう。

（1）貸主

貸主とは、不動産を貸し出す人または法人です。貸主が入居者を探す場合、以前は張り紙やチラシなどで募集するのが一般的でしたが、最近はホームページで募集する大家さんも増えてきました。貸主と借主が賃貸借契約を直接結ぶ場合、そこに仲介者はいないため、もちろん仲介手数料は発生しません。ただし、借主からクレームがあった際には、貸主が自ら対応する必要があるので、トラブルを避けるために代理もしくは仲介を立てる貸主が多いようです。

（2）代理

代理とは、貸主の代理人として活動をしたり契約を成立させたりする取引態様です。代理人は賃貸契約を締結する権利を持っているため、立場は貸主とほぼ同じといえるでしょう。原則として仲介手数料が発生します。

（3）仲介

仲介とは、貸主と借主の間に立って話をまとめる取引態様です。物件の広告宣伝をはじめとして、物件の紹介や内見、契約条件の説明、入居申込者の審査、入居手続きなど、さまざまなサポートを行ない、契約の締結後には成功報酬として仲介手数料を貸主または借主に対して請求します。

このうち木下の賃貸が扱っている多くの物件は当社が「貸主」として取り扱っているもので、仲介手数料は法律上発生しません。貸主ではない物件、代理としてお取り扱いしている物件も数多くありますが、当社ではお客さまの経済的なご負担を少しでも減らしたいという観点から、ウェブサイトに掲載されている賃貸物件はすべて「仲介手数料不要」となっています。

借主が貸主と直接契約をする場合、貸主には入居に関する重要事項の確認義務がないので、契約後にトラブルが発生してしまうことがあります。借主と貸主の双方にとってリスクがあるため、間に不動産知識を有する代理または仲介を挟むのが一般的です。物件の紹介をはじめ、トラブルが起こったときには窓口になってくれるなど「安全を買う」という意味では、仲介手数料は正当な報酬といえるでしょう。

しかし、借主からすれば、家賃に加えて、敷金・礼金、さらに仲介手数料が発生するとなると、引っ越し時の金銭的負担は大きなものとなります。そこで注目されているのが「仲介手数料不要」「仲介手数料無料」の物件です。手数料の分、借主の負担が減るのはもちろん、浮いたお金を家具・家電の購入資金にあてることで、引越し後の生活がより豊かになります。木下の賃貸では、このような入居者の方々の需要に応えるために、企業努力として「仲介手数料不要」とさせていただいています。

賃貸借契約では、仲介手数料をはじめとして複雑なルールが存在します。不動産業界における契約の仕組みを把握して、賢くお得なお部屋探しを行うことが重要です。